「おみくじ引いたら凶が出た」
「おみくじの凶の結果って変えられるの?」
「凶だとその後悪い事が起きるの?」
占いはあまり信じない人でも、おみくじで凶を引いたら少しは凹みますよね。
2014年に私は、浅草寺(東京都浅草)で立て続けに3回「凶」を引き当てたことがあり、仕事で重大な局面を迎える時だったので、さすがに凹みました。
けれど、この「連続でおみくじの凶を引き当てる」というネガティブな出来事は、見方を変えることで自分の力にし、その後上手く物事を進めるキッカケになったのです。
元々落ち込んだらかなり引きずるタイプだったけれど、徐々に感情の切り替えも早くなったり、思い通りにならないことばかりで悩んでいたのに、人生が”生きやすくなった”と感じています。
今回はその話をシェアしたいと思います。
おみくじで連続して凶を引いちゃった人は試してみてください。
おみくじで凶が連続
「凶」
これで3回連続だ。
なんっで3回もおみくじを引きに戻っちゃったんだ私は。
最初におみくじを引いた時、凶が出た時点で止めておけば良かったのに、事実を受け入れられずに悪あがきしようとしたら、より大きな凶に“育てて“しまった。
2013年10月14日、時刻は朝の5時半。昨夜からおみくじを引き続けた私は、凶のネガティブパワーを引きずりながら浅草寺を後にした。
普段は朝のニュースの星占いもスルーし、初詣くらいしかおみくじも引かない。そんな私も重大な局面を前にしてちょっと運試しをしたくなったのだ。
重大な局面を前に、普段やらない事をするもんじゃない。
とぼとぼとした足取りに、マノロブラニクのピンヒールが似合わなかった。浅草駅に到着するとあっという間にサラリーマンの群れに飲み込まれる。
弱肉強食の営業会社でなんとか生き残り、責任者に上がるかどうか試される次の担当エリアへの移動前だった。責任者になれば自分で売上も上げなければならない上、難病や何らかの病気を抱えた人の緊急事態にも一人で対応する必要がある。
のしかかる責任とプレッシャーへの「神様からのアドバイス」を聞こうと、昨夜おみくじを引きにホテル近くの浅草寺へ立ち寄ったのだ。
なぜか私は「吉」や「大吉」が出るかも、などと呑気な想像をしていた。我ながら図々しい。だがこれまで「凶」が出た事はなかったので、「凶」が出るなどカケラも思っていなかったのだ。「ちょっと占ってみようかな」と、割と軽い気持ちで参拝後におみくじを引いた。
時刻は午後7時半過ぎ。
凶
楽観的だった私も「凶」の一文字に動揺し、さすがに落ち込んだ。
「凶はたまたま。もう一度引けば相殺されるんじゃ・・・」
浅ましくも私は近くの店で夕食を食べた後にもう一度、おみくじを引きに戻ってしまった。
後で知りましたが、おみくじは「神様からのお告げ」として、どんな結果であれ受け止めるのがいいそうです。本当はおみくじを引き直すのは止めた方がいいんですよ。
当時の私はそんな事も知らず、凶を受け入れたくない一心で引き直しちゃいました。
時刻は夜の10時半。
さすがに浅草寺の境内にはほとんど人は居らず、さっさとおみくじを引いて明日のフライトに備えて早く休もうと2度目のおみくじを引きました。
━━━━━ 凶 ━━━━━
漫画だったらその場に崩れ落ちる場面だ。でもこれは現実。
精神的には崩れ落ちたいのだけれど、何とか踏みとどまりホテルへと向かった。
そして翌朝、懲りずに私はもう一度おみくじを引きに向かってしまったのだ。
やめておけば良かった。
そして翌朝、5時半過ぎ。
凶
凶
凶
こんなことある?
初めて見た凶のフルスロットル。
不吉すぎる。
そもそもおみくじを3回も連続で引く人間など居ないと思うが、3つとも凶だという悪運には震えるしかない。
浅草寺のおみくじは凶が出やすい?
後で調べて知るのですが、浅草寺のおみくじは、凶が出やすいというのです。
元々、おみくじの「大吉」「吉」「末吉」「凶」などの割合は一定で決まっており、どの結果も同じくらいの割合で出るようになっているものでした。
ところが、「凶」が出る人も多いので「あの神社でおみくじを引くと“凶“が出た」などという悪い噂が“客足“を遠ざける事になると踏んだ神社や寺が、おみくじの「良い結果」の割合を増やすようにしたのです。
これも商売という事ですね。
意図的に「良い結果」のおみくじの割合を増やしていただけ。
ところが浅草寺は、観光地のど真ん中にあり、国内外から毎月客足が絶えない人気(?)のお寺。
意図的におみくじの割合を変えなくても良かったのです。
その結果、浅草寺は昔ながらのおみくじの割合を保ったまま今に至ります。
東京の浅草寺で凶のおみくじが出やすいのは、こうした事だという訳ですね。
おみくじの凶から何を読み取るか?
成田までの電車の中で、私は凶のおみくじの内容を頭の中で反芻していた。
頭の中に重く暗く湿気った雲がもくもくと広がっていく。嫌だ嫌だ。暗い想像なんてしたくない。明るい未来にしたいんだ。
ズグン、と偏頭痛にも似た痛みがこめかみに響く。その痛みを振り払うように「飲み込まれるな」と頭を横に振り目を開いて顔を上げる。
いつのまにか成田空港に着いていた。
おみくじが凶のフルスロットルだった事実は無くならない。けれど暗い気持ちに飲まれたまま、この先待っている事を最初から諦めてしまいたくはなかった。
凶から何か学べないか、どうしたら凶を受け入れて前に進めるだろうか。私はスマホの検索画面に「おみくじ 凶」などと打ち込み、片っ端から読み込んで凶の対応策を探した。
凶が出ても、畏れず誠実に過ごすこと・・・
吉に転じるには・・・?
「この凶のおみくじから、何が読み取れるだろう」
自然と考えていたのはそんな事。凶の悪い結果で落ち込んでいた感情よりも、「悪い内容」が意味しているところを考える頭になっていった。
そして写メしたおみくじの内容をもう一度見返す。おみくじはすべて「凶」だったけれど、書かれていた内容は全部違ったのだ。
同じ「凶」でも、内容にバリエーションがあるとは・・
私は引いたおみくじの内容をノートに書き出してみた。
- 1回目は六十三番の「凶」
- 2回目は六十九番の「凶」
- 3回目は五十九番の「凶」
やはり凶らしいパッとしない文言ばかりが並んでいるが、共通点がありそうな・・・ないような・・・・・・
ところがしばらく眺めていると、何となくどのおみくじも“同じ状態“を伝えている文がある事に気がついた。
全体的におみくじの内容は「モヤモヤした状態」で、私の中の迷いがおみくじに表れている様な気がしたのだ。
「これがおみくじが伝えている事・・・?」
頭の中を「凶」で占めた私を乗せて、北海道行きの飛行機は順調に雲の上を滑っていく。窓の下に広がる雲を目に映したまま思考をさまよわせていたら、ふと浮かんできた。
「迷うな。決断しろ」
おみくじにそんな文言はなかったのに、なぜだかそう感じた。
私のめでたい思考回路が創り出した神の啓示かもしれなかったが、「神様は私に決断しろと言っているのだ」と思ったら急にストンと腑に落ちたのだ。
これはあくまでも私の解釈。
おみくじから何を読み取るかは、個人の解釈に委ねられていると思う。まったく同じ文面でもどう捉えるかは人によって異なるだろう。
そして捉え方の違いで、行動の差が生まれるのではないか。
自分が迷っていて決断できないでいるのは、分かっていた。だから、そんな私の迷いを見透かしたかのようなおみくじの結果が出たと言うのが私の解釈だ。
けれどこの時、おみくじの凶の意味を、自分で「迷うな、決断しろ」という神様からの後押しと捉えることができたおかげで、私は前へ進む事ができた。
もし私が凶のおみくじを引いてショックを受けるだけで終わっていたら、先々で起こるトラブルや難題も「凶のせい」だと諦めていたかもしれない。
実際この後、本当にたくさんのトラブルや難題が降って湧いたが「気落ちする出来事も捉え方次第」と、多くの助けと学びに変えられた。
“平均800万円“の売上を約5倍も上回る大きな成果を上げて私は本社へ帰還し、その後20代のうちに責任者に昇格できたのだ。
おみくじの本当の役割
神社では御神体として鏡を祀っていることがある。
参拝の時に手を合わせると、鏡に映る自分自身と向き合う形になるのだ。
目の前にいるのは、神様ではなく、鏡に映った自分。
この神社のしくみは、自分の行動なしに願いは叶わない事を表しているように思える。
神様に願いを叶えてもらうのではない。
神様に、自分が願いを叶えるところを見ていてもらうのだ。
その為に神様の前で誓うのだ。
「必ずやり遂げますから見守っていてくださいね」と。
そして、おみくじは「どう行動したらいいか」の道標のようなものではないか。
私が引いた凶のおみくじは、どれも状況が晴れやかでない事を示しながら「それはあなたが覚悟を決めないからですよ」「同じ場所でぐるぐる足踏みしてるだけですよ」「答えを出すことを怖がっているだけですよ」と、教えてくれていた。
そして「どうするか決めなさい」と促していたのだ。
その時の私には、挑むか逃げるか2つの選択肢があった。
責任を放り出して逃げたって良い。
でも、私はまず「どうするか」を決められないでいたのだ。
決断すればもう一つの選択肢を捨てる事になる。
私は選べる道を一つ捨てる事が怖かったのだ。
進む方向を決められずどこにも行けずにいた私に、凶のおみくじが背中を押してくれたように思う。覚悟を決めれば、進む方向が決まって動ける。
おみくじの悪い結果の捉え方
おみくじは、未来の予知ではない。
生きていれば、良い波も悪い波も起こるのだ。
自分を待っている良い波や悪い波がおみくじに記されているだけで、その場面に直面した時、どう感じてどう行動するかは自分で選べる。
昔の私は、良い波と悪い波の落差が激しすぎた。だから波が来るたびに感情の振れ幅が大きく、振り回されて疲れてしまっていたのだ。こうなると情緒も不安定になりやすい。
今の私は波の落差が少し落ち着き、感情の波も高い位置をキープしやすくなっている。0と10を行ったり来たりする波ではなく、7と10を行き来するイメージ、とでも言おうか。
悪い波が来ても「悪いこと」に感情を支配される時間が短くなり、「どうしようか?」「どうしたいか?」に切り替えて動けるようになってきたのだ。
ある程度年齢を重ねたが、その分だけ経験を学びに変える事ができたのだと思う。
おみくじの凶に学んだ大切な事
どんな出来事にも意味がある。
その意味をしっかり考える事、そして一見悪い言葉も注意や教訓と捉え、行動に気をつける事が大切なのだ。
私のターニングポイントは、連続で凶を引いた事だった。
「凶」みたいな出来事はきっとこれからも起こるだろう。けれど今では、辛い事が起こっても大丈夫と思える自分がいる。
恐れや不安に強くなれたわけじゃない。怖い事や辛い事は今も変わらずある。
けれど、辛い状態からでも自分を立て直せると知っているから「私は大丈夫」なのだ。
あの日、飛行機の中でメモしたページは、今も持っている。
「迷うな。決断しろ」
私の背を押してくれた神様からの言葉だ。
おみくじを活用して生きやすい毎日に。
おみくじ活用で望む道へ進む生き方を。
続けると気持ちの切り替えも早くなりますよ。
3回連続して凶を引いて、人生を好転するきっかけに気づいた日から、毎年のおみくじの自分の運勢を元に、1年のスケジュールをたてています。
手帳の最初のページにその年の運勢の流れを描き込み、活用中です。
おみくじや占いの忠告・アドバイスを取り入れて、それを元に計画を立てて備えているのです。
元々あまり占いには興味がありませんでしたが、人生の波が統計学で分かっているのなら、力を入れる時期と休む時期をあらかじめ計画に入れておける方が行動しやすいなと気づきました。
「この時期は色んな人に会いに出かけてみる」とあったら、その時期にサークルやセミナーの予約を入れて色んな人と交流を持つようにしてみる。
「仕事運が急上昇だけど健康に注意」だったら、仕事の計画を入念に立てて休息時間も確保し、健診の予約も前もって入れておきました。
事前に対策をたて、それに合わせて仕事やプライベートの予定を調節しています。
良いことだけがずっと続く事はなく、どんな人でも「良い状態」と「悪い状態」のように波があるのです。その波が悪い時は無理に動かず、自分の内面を見つめ直して立て直すときにしています。その方が、良い波が来た時にスッと動けるのです。
あまり良いことが書かれていなくても「そういう時なんだ」と捉えて、成果が出なくても焦らず淡々と行動を積み重ねることができるようになってきました。
おみくじで事前に計画が立てやすくなり、やりたい事の目標をスケジュールに落としやすくなりましたね。
せっかくなので、凶のおみくじですらそんな風に活用してみてください。
コメント
甘いね
私はその日浅草寺39番の凶を寺の中で2回
寺の外のおみくじ売り場で1回
家が燃えるとか病気は治らないとか
かなりやばいやつ
3ヶ月くらい経って浅草寺でおみくじ引いたら93番の吉でした
多分散々苦労するで39番は凶で
93番は反転したから吉なのかなと思いました
コメントありがとうございます。
凶にも色々な内容がありますね〜。
でも本当におみくじはただのおみくじであって、そこから何を読み取り、どう考え、現実の行動をどう変えていくかが大事ですよね。
「うわー凶引いた」だけで終えていたら、「おみくじで3回連続凶引いた」なんか嫌な話、でただの不幸自慢?で終わったとこでした